就社から就職へ「ジョブ型雇用」とは

コロナ禍では、日本の働き方にも大きな変化が起こりました。


テレワーク制度を導入する企業が増える中、従業員の仕事状況を把握することが難しくなり、「時間管理」から「成果管理」に移行する企業も現れています。

また、日立製作所、資生堂、富士通、KDDIといった日本を代表する企業が、日本特有の雇用システムである「新卒一括採用」(メンバーシップ型採用)から職種別に採用する「ジョブ型」雇用へ移行することを発表しました。


今回は、日本における“雇用のニューノーマル”として注目されるジョブ型雇用について、学生にどのような変化が起きるか考えてみたいと思います。



<ジョブ型とは>


新卒一括採用、年功序列、終身雇用などに見られる、日本企業の多くが採用しているのが「メンバーシップ型雇用」です。会社の理念や風土に合う人を採用し、ジョブローテーションと呼ばれる数年間ごとに繰り返される人事異動を重ねながら、管理職に昇進していく「人に仕事をあてがう」スタイルです。

対して「ジョブ型雇用」は、職種ベースでポジションに合うスキルを持った人の採用を行なう「仕事に人をあてがう」スタイルです。

世界では欧米をはじめジョブ型雇用が一般的で、メンバーシップ型が主要な国はほとんどありません。


■代表的なキャリア形成

-メンバーシップ型

 就社(総合職)➔部署配属➔OJT(育成)➔ジョブローテ➔専門領域の決定(40代)

 ➔管理職

-ジョブ型

 専門領域スキル習得➔就職➔転職(キャリアアップ)


メンバーシップ型はジョブローテによって会社の事業理解が深まり、ゼネラリストとして社内調整などもしやすいメリットがあります。

一方でジョブ型は専門領域が就職時から決まっているのに対して、メンバーシップ型は40代くらいまで専門領域が決まらず、スペシャリストが育ちにくくなります。自分の専門領域がない分、転職もしずらく、会社に依存してしまいがちです。

これまで一社で勤め上げる終身雇用が一般的だった日本では、このメンバーシップ型が適していたと言えると思います。



■ジョブ型とメンバーシップ型の違い一覧














<ジョブ型が進む背景>


なぜ今日本でジョブ型が注目を浴びているのか。それには4つの流れがあります。


■きっかけ①

高度経済成長の終了に伴う終身雇用の終焉

組織依存からの脱却し、個の力をつける

社外でも通用する専門性を身につける


終身雇用の時代が終わった今、一人ひとりが会社に依存せず自分自身のキャリアをデザインすることが求められています。組織の時代から、個の時代へと変わっていっています。



■きっかけ②

グローバル化、海外進出

海外人材確保に伴って、海外で一般的なジョブ型に合わせる必要性。


例えば、ジョブ型を導入した日立は16万人が日本人で14万人が海外の人を採用しています。



■きっかけ③

インターネットによる働き方の多様化(ノマド、フリーランス、起業、YouTuber)

やりたい仕事(職)を選択できる時代

 


■きっかけ④

オリンピック開催時の通勤規制対策

コロナによる外出自粛

テレワークの導入

①時間から成果管理へ

②副業の加速(すべてオンラインで完結)

①役割と求める成果(ジョブディスクリプション)の明確化

②ジョブ(職種)ベースで仕事が発生





<ジョブ型により何が起きるか>



ジョブ型が進むと何が起きるのか。それはジョブ型が既に進んでいる欧米を知れば見えてきます。今回は特に学生においての変化を見ていきます。

欧米では新卒や中途を分けて考える文化はなく、スキルの満たない若年層の失業率が高いです。そのため学生時代にスキルを付けるための教育が導入されています。


■アメリカの場合

大学生のインターンシップ制度が100年以上前から浸透しており、インターン生は2、3か月という長期間をフルタイムで働き、実務経験を積みます。


■ドイツの場合

日本の小学4年生にあたる時期に、“大学を目指すか”、“専門的な職業教育を受けるか”を決めるのが一般的です。

ドイツには「アプレンティスシップ」という実習制度があり、週に1、2日は学校で専門知識を学び、残りの週3、4日は企業で実際に仕事の経験を積みます。これは「デュアル制度」と呼ばれるドイツ伝統の教育法で、学生は卒業する頃には専門知識やスキルを有し、即戦力として働けるようになっています。


■イギリスの場合

イギリスにも「アプレンティスシップ」はあり、仕事での実践経験と教育機関での学びを融合し、学位や職業資格の取得を目指しています。前首相のメイ政権の重点施策として、2020年までに300万人の修学生を育成するという大きな目標を掲げました。

自己の専門分野や将来のキャリアと関連した分野で、長期間(数か月以上、複数回)就業実践(アルバイト等)を積み、その振返りを行うコーオプ教育なども広く実施されています。





<これから必要なこと>


ジョブ型へ移行すると欧米の例からわかるとおり、若者は自分に合うジョブ(仕事)を、なるべく早くに見つけ、その専門性を深める必要があります。そのために必要になるのは、大きく以下3つです。


①職業情報のオープン化(どんな職種があるのかを知る)

職種ベースでどんな仕事をするのかの情報はほとんどないのが現状です。

その問題意識からニュースピックスが職業軸のキャリア情報メディア「みんなで作る仕事図鑑JobPicks」を2020年の10月にリリースしました。


②自己分析(自分に合う職種を知る)

自分はどうなりたいのか、何を成したいのか(ビジョン、価値観)、どんな仕事がしたいのか(好き)、力を発揮できるのか(強み)など

自分自身についてより深く知る必要があります。


③実務経験とスキル&知識の習得(職務要件に満たす実力を備える)

本当に自分にあったジョブなのかどうか実務経験を通じて知り、また即戦力となるための基礎を身に着けていなければなります。



<最後に>


受け皿が変わると教育も変わります。

英語やプログラミングが必要になったら、それが小学校教育にも導入されるようになりました。これからジョブ型雇用が進めば、間違いなく学生時代の仕事と勉強の繋がりが重要になると思います。メリットデメリットはありますが、私はこの教育が整備されれば、ジョブ型への変化は良いことだと思います。なぜなら人それぞれ個性があり適職があり、自分の強みにあった仕事をする時、自分も楽しく、成果も出て、世の中にも貢献できるからです。


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